3月11日、12日と丹沢山塊へ行ってきました。
一年前のこの日も僕は、この丹沢山塊へ足を運んでいたところでした。
そして、今回も始めは同じルート。
東日本大震災の記憶、1年間の記憶を思い出しながら歩きました。
熊木沢と蛭ヶ岳
鬼ヶ岩
蛭ヶ岳と西丹沢
1日目 大倉-二股-鍋割山-熊木沢-蛭ヶ岳
2日目 蛭ヶ岳-不動ノ峰-丹沢山-塔ノ岳-大倉
鍋割山へ向かう林道にて
鍋割山の中腹を過ぎ、後沢乗越を過ぎたあたりから積雪があり、
山頂付近での吹き溜まりは膝上ぐらいまで積雪がありました。
上では小雪もちらついてきましたので、写真はありません。
鍋割山からは雨山峠方向にはトレース無し。
まっさら。
ガスと小雪でさらにまっさら?真っ白?
ここから一般登山道を外れ、ユーシン側へ下りる。
丹沢山塊におけるバリエーションルートと行ったところなのだろうか。
オカラ沢を経て廃林道へ出る。
そこを下っていくと熊木沢出合いに到着。
熊木沢出合い。
この時点では日が出てきた。蛭ヶ岳の頂が見えたり隠れたり。
ここで、青空と雲に浮かぶ蛭ヶ岳を撮影する為に、昼食を摂りながら機会をうかがう。
ここからの眺めはお久しぶり。
蛭ヶ岳直登ルートを望むこの景色は、
蛭ヶ岳を観る景色の中で好きな景色のうちの一つです。
ちなみにお昼はパスタでボンゴレ。
結局、この後はひたすらガスが沸いてきたため狙う絵は撮れず・・・。
熊木沢の砂防ダムを一つ越えたところだったろうか。
奥にどっしりと構える蛭ヶ岳。これはこれでカッコ良いと思う。
ここからは正面の壁の様な斜面を登っていく。
取り付きの積雪は膝下程度。特に問題なしと行ったところ。
しかし急であるため、アイゼンが喰わない。
そのうち太ももや腰辺りまで積雪量が増えてきて、
深いところでは?というか斜面が急すぎて胸まで雪の中といった感じ。
雪が柔らかくアイゼンもピッケルも効きがイマイチ。
同じ雪の壁で10分近く上がれず苦戦することも。
標高1500m辺りからは吹雪。
下山してくる雄鹿とすれちがうことも。
尾根が狭いので3mくらいしか離れていない距離でのすれちがい。
立派な角を持った雄でして一瞬ドキッとしましたが、
こちらには特に興味無さそうにチラ見しただけでゆっくり下って行きました。
尾根の上層部はイバラの天国。
今回はパタゴニアのハードシェルのアルパインジャケットの着用でしたので
良かったと思いますね。
やっぱし雪山はハードシェルなしには厳しいように思います。
尾根取り付きから3時間、ようやく蛭ヶ岳の頂に立つことが出来ました。
当初日帰り予定だったため、山荘には寄らず急いで丹沢山へ向かうことに。
吹雪の中、1時間ひたすらラッセル。
正直、南尾根の直登で体力の消耗は相当で、鬼ヶ岩の手前で力尽きました。
さらに、完全にホワイトアウト。
体力の消耗が激しいとビバークしても助かりそうにないので、
ゆっくりゆっくりと来た道を登り返し、やっとの思いで蛭ヶ岳山荘に辿りつけました。
周囲が真っ白で何も見えないので、足もとに目を凝らして歩くしかないわけですが、
つい1時間前に付けたトレースも猛吹雪のせいかほとんど消えかかっていて、
ホントにギリギリでした。
この日は久々の朝日が昇り、朝日に染まる富士と霧氷樹を堪能!
もっと絞れば良かった!残念!本当はもっと何倍も素晴らしく美しい景色でした。
お世話になった蛭ヶ岳山荘を後にし、またひたすらラッセル。
行くところ全てが今まで見たことが無いような丹沢。
ラッセルが疲れるので、休憩がてら写真を撮ります。
積雪は、基本的に太もも。深いところでは腰。
吹き溜まりで畝っているところは僕の身長以上の雪壁。
雪はパウダーで上がれない。
仕方なくピッケルで崩していくか四つん這いで這い上がるかしてどうにかこうにか。
この日は3月にしては珍しく最低気温は氷点下11度。大分冷え込み増して、
僕のハイドレーションのストロー内は即行凍りつきました。
蛭ヶ岳から丹沢山まで6時間強のラッセルでしたが、
近くまでの5時間くらい水を飲むことができず
喉の渇きは霧氷せんべいを食べたり雪を食べたりしてなんとかごまかしました。
鬼ヶ岩へのアプローチ。
この日の最大の難所。
本来の登山道から高いところで3m近く雪が積もっているところも。
ルートの設定は慎重に行いました。
鬼ヶ岩からの蛭ヶ岳。
最高です。
最高です。ここまで3時間。どんだけ掛るんだラッセル!
シュカブラ?やっぱり朝狙いたいね!
霧氷街道
ノートレースいただきます!ご馳走様でした!
My Way !
坂の上の雲?
ということで、蛭ヶ岳から丹沢山までは6時間を超えるラッセル。
その後、みやま山荘と尊仏山荘でゆっくり休ませていただき、
回復したところでダッシュで下山。
丹沢山から大倉バス停までの所要時間は2時間で下山完了。
なんとか夕暮れに間に合いました!
今回の反省として、
冬山用グローブを持参しなかったこと。
これにより、凍傷防止のためラッセル時にグローブを濡らさぬよう、
極力手を使わずラッセルしたことが体力消耗の要因であり、
蛭ヶ岳直登・蛭ヶ岳~丹沢山間に時間をかけ過ぎてしまった
ように思う。
次回はオーバーグローブを導入したい。
また、今回役に立ったものとしては、
パタゴニアのハードシェル。八ヶ岳でもそうであったが、
風を防いでくれるこの存在は大きい。
また、生地がタフなのでバラの棘にも強く頼もしかった。
今回の山行は、久しぶりに攻めた感があった。
ことのころ、自分の為に自分ひとりで攻撃的に追い込むスタイルはなかった。
山の写真を撮ったり、先輩や同期などと一緒に行く事が増え
なかなか単独行で攻めることから遠ざかってきていた。
だからこの冬、大雪が降ったら絶対に丹沢へ、
しかも一番厳しいルートで蛭ヶ岳へ登ろうと狙っていた。
改めて、丹沢の奥深さを知ったし、
自分の甘さも痛感することができた。
今シーズンの〆には最高の山行となりました!
夏までお預けですが、早くも夏が待ち遠しい!!!
以上!
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